お母さんになる!
NHKの試験を受けてみよう、という直接の原因になった人形劇「雪の女王」。あの音楽の作曲が芥川也寸志《あくたがわやすし》さんだった、ということは、最近まで知りませんでした。「音楽の広場」というNHKのテレビ番組を御一緒《ごいつしよ》にやるようになって、あの「雪の女王」のことが、ある日、話題になり、あれが、芥川さんだったのだ! とわかったのです。歌がダーク・ダックスだった、ということも、そのときに、わかりました。もし、あの時の音楽が良くなかったら、私は、NHKを受けることに、ならなかったかも知れません。そして、ついでのことですが、芥川さんは、私の父のファンで、というか、父の音楽が好きで、音楽学校の学生の頃、よく、私の家の庭先にもぐりこんで、父のヴァイオリンの練習だの、父たちが作った�東京|絃楽四重奏団《ストリング・カルテツト》�の練習だのを、聞いていらしたのだそうです。もちろん、家の家族は、そんなこと、夢《ゆめ》にも知りませんでした。
数え切れない、いくつもの偶然が重なって、私たちは、人に逢ったり、仕事を選んだりするようになるもの、と、わかってはいても、びっくりしてしまうのは、こういう時です。