家業をかえりみない人へ
こういうことは口ではうまく言えないので、手紙を書きました。
正直言って、最近の○○さんは以前に比べて、まるで別人のように変わってしまいましたね。以前は、家業の跡取りとしての自覚をもって、勉強に励み、家業の手伝いにも身を入れておられたのに、最近は仕事がおざなりで、趣味にかけるお金と時間が多すぎるのではないかと気になります。
以前、○○さんは『生まれたときから自分の道が決められているのはつらいものだよ』ともらしておられましたね。ですから跡取りとしてのプレッシャーから逃避したい気持ちもわかりますが、お父さん、お母さんが苦労して大きくしてきた会社なのです。最近はお父さんも目に見えて年老いてきて、○○さんに会社を譲る日も遠くないでしょう。そのときは○○さんの采配で事業をどのようにも変えていけるのではないでしょうか。だから○○さんは自分で道を切り開いていけるのです。
出すぎた言い方をしましたが、○○さんのことを信じています。私も卒業したら、できるだけ家業の手伝いをしますので、どうぞよろしくお願いします。