手柄
世説新語(排調篇)
晋の元帝(司馬睿(しばえい))は皇子が生れた祝いに、あまねく群臣に下賜をした。そのとき予章郡太守の殷羨(いんせん)が、
「皇子のご誕生、天下ひとしくお喜び申しあげております。臣は何の手柄もございませんのに、手厚い賜物(たまもの)を頂戴し、恐縮至極に存じます」
とお礼を言上した。すると元帝はいった。
「このことでは、そなたに手柄を立てさせるわけにはいかんよ」






