塗り薬
笑府
ある女房、隠しどころにできものができたので、医者を呼んだ。医者はくわしく診察してから、亭主に、
「薬はわしが、じかに塗り込まんことにはゆきわたらないが、よろしいかな」
といった。亭主がうなずくと、医者は一物を出してその頭に薬を塗りつけ、女房の中へ入れた。亭主は固唾(かたず)を呑んで医者が事を行なうのを見ていたが、大分たってからいった。
「先生が薬をつけていなければ、わたしも気をまわさないわけにはいかないだろうが」






