奉加
雪濤諧史
強盗と僧侶とが山で虎に出会った。強盗は弓で虎を防いだが、虎は悠々と近寄ってくる。僧侶はもはやこれまでと思い、持っていた奉加帳を投げつけた。すると虎はおどろいて逃げて行った。
さて、逃げ帰った親虎に子虎がたずねた。
「どうして強盗をこわがらずに、坊さんなんかこわがるの?」
すると親虎はいった。
「強盗には太刀打ちできるが、坊主はおれに奉加を求めやがった、太刀打ちできるわけはないよ」






