釜をぬく
雪濤諧史
ある男が釜をかついで野道を行く途中、小便がしたくなり、釜を道に置いて立小便をした。泥棒がそれを見て歩み寄り、その釜を自分の頭にかぶせて、男と並んで立小便をした。
男はさきに小便をすませ、釜をさがしたがない。すると泥棒は男にいった。
「おまえさん、用心をしないからいけないんだ。おれみたいに釜を頭にかぶって小便をすれば、人に盗まれる心配はないんだ。おまえさんのように道へ置いたままじゃ、盗まれたって仕方がないよ」






