火種
笑府
ある人が居酒屋へはいったところ、店は小綺麗にととのっていて、客は一人もいない。ここならゆっくり飲めるとよろこんでいると、亭主が出てきて、いきなり、縄で椅子に縛りつけた。おどろいて、
「何をするんだ!」
とどなると、亭主は恐縮しながら、
「わたしが隣りへ火種をもらいに行っているあいだに、あなたが逃げて行ったら困るので」






