肖像画
笑府
ある男、肖像画をかいてもらうのに、紙や墨の代から謝礼までこめて、たった三分(ぶ)しか出さなかった。
さて、絵師がかいてきた絵を見ると、荊川紙(けいせんし)に水墨(すいぼく)で後向きの像がかいてあった。男がむっとして、
「肖像画というものは顔が大事なんだ。どうして後向きにしたんだ」
というと、絵師のいうには、
「あなたには面子(メンツ)などというものはございません」






