すれちがい舟
笑府
崑山(こんざん)の周用斎(しゆうようさい)先生は世間のことにうとい人であった。
あるとき船に乗ったところ、すれちがって行く船の速度が非常に速く見えたので、びっくりして、
「あれは何だ」
ときいたところ、下男が、
「すれちがい舟です」
と答えた。すると先生はいった。
「船を造るやつは馬鹿が多いようだな。もしすれちがい船ばかり造れば、この船だってもっと速いだろうに」






