厳粛
笑府
ある道学先生、道で雨に降られたが、手を束(つか)ねたまま悠然と歩いて行く。あわてずさわがず、ゆっくりと歩いて行くさまは、いかにも厳粛である。
やがて人通りのない横町へまがると、先生は供の童子にいった。
「うしろから誰か見ている者はいないか」
童子がふり返って見て、
「誰もいません」
と答えると、先生は急に走り出して、
「誰もいなければ、ちと雨宿りをしようよ」






