賦の字
笑府
ある俄(にわ)か成金、夜も昼も賊(どろぼう)の心配ばかりしていた。
ある日、友人といっしょに浙江の江心寺(こうしんじ)へ行ったところ、その壁に「江心の賦(ふ)」と題してあるのを見て、急にそわそわとしだした。友人がわけをきくと、
「江心の賊がここにいる」
という。
「賦だよ。賊じゃないよ」
と友人がいっても、成金はきかず、
「いや、賦は賦だろうが、やっぱり少し賊の形をしている」






