吉の字
笑倒
ある人、元旦の廻礼に出かけるとき、一年の最初の日からよいことがあるようにと、机の上へ「吉」という字を書いて出た。ところが、何軒もの家を廻ったのにお茶一杯のもてなしも受けなかった。
そこで、家に帰ってから「吉」という字を逆さにしてみて、
「なるほど、『口』と『干』か。道理でお茶一杯にもありつけなかったのだな。そうとわかれば『吉』の字をもっと離して書いておけばよかった。そうすれば『十』と『一』と『口』になるから、十一軒の家で口を潤してくれたかもしれん」






