名君
山中一夕話
屈原(くつげん)は戦国時代の楚(そ)の憂国の士。讒言(ざんげん)されて江南へ流され、汨羅(べきら)の淵に身を投げて死んだ。
さて、唐の玄宗(げんそう)が、あるとき近侍の臣の翻綽(ほんしやく)を、池の水の中へもぐらせた。
翻綽は水から出てきて玄宗にいった。
「水中で屈原に会いました。屈原はわたくしを笑って、こういいました。『そなたは名君に仕えているのに、どうしてこんなところへやってきたのか』と」






