冬帽夏帽
笑府・広笑府
ひどく短気な男、夏のさなかに冬帽をかぶった人を見て、季節はずれだといって腹をたて、いきなり殴りかかろうとしたが、人々になだめられて家に帰り、それがもとで病気になってしまった。
冬になってようやく病気がなおったので、弟は気ばらしにと兄を歳末の町へ散歩につれ出した。すると、はるか向うの方に夏帽をかぶった人が見えた。弟はあわててその人のところへ走って行ってたのんだ。
「兄の病気がやっとなおったところなのです。どうか、ちょっと隠れていただけないでしょうか」






