死んだ子供
戦国策(秦策)
魏(ぎ)に東門呉という人がいた。その子供が死んだが少しも悲しがらないので、家令が不思議に思ってたずねた。
「あなたは無類の子煩悩(ぼんのう)でしたのに、お子さまが亡くなられてもいっこうに悲しがられない。これはどういうわけですか」
すると東門呉はいった。
「わたしにはもともと子供はいなかった。子供がなかったときは悲しくはなかった。子供が死んでしまった今は、子供がなかったときと同じではないか」






