顔を合わせる
呂氏春秋(審応覧篇)
ある男、盗賊に襲われて主人が殺されたが、自分は逃げて事なきを得た。
その後、男は道で知人に出会って、とがめられた。
「おまえ、自分だけ助かって、よくも平気でおられるな」
「ああ。人に仕えるのは得(とく)をするためだ。死んだって得にはならないから、逃げたのだ」
「おまえ、それで、死んだご主人に合わせる顔があるのか」
「おまえは、死んだ者が生きている者と顔を合わせられるとでも思っているのか」






