虱(しらみ)の始末
笑府
女郎が客といっしょのとき、虱を一匹さぐりあて、そっと口の中へいれて噛みつぶした。客は気がついたが、知らぬふりをしていた。しばらくすると客も一匹さぐりあてたので、香(こう)を焚くようなふりをして爐(ろ)の中へくべた。と、焼けてピチッとはねる音がした。女郎が笑って、
「よく焼けたようだわ」
というと、客は、
「おまえのように、生(なま)で食うよりはましだよ」






