仁愛
列子(説符篇)
邯鄲(かんたん)の人々は、元旦に鳩を趙簡子(ちようかんし)に献上すると手厚い褒美がもらえるので、争って鳩を生捕(いけど)りにした。そのために命を落す鳩も少なくなかった。
趙簡子は人民から献上された鳩を放って、
「元旦に生きものを放してやることは、仁愛の恩を禽獣にまで及ぼすことを示すためである」
といった。