強弓
呂氏春秋(貴直論篇)
斉の宣(せん)王は弓が好きで、人から強弓をひくといわれることをよろこんだ。宣王が使う弓は強さ三石(せき)のものだったが、人に見せると誰もみなひいてみて半分でやめ、
「これは九石以下ではないでしょう。王だからこそこれがお使いになれるのです」
といった。
宣王は終身、自分を九石の弓の使い手だと思っていた。