道理
笑林
ある人、夜中に急疾になったので、門人にあかりをつけるようにいいつけた。ところがその夜は月のない闇夜で、あかりの道具がどこにあるかわからない。しかも主人が早く早くとせきたてるので、門人はいらだち、腹を立てていい返した。
「そんなにせかされても、それは無理というものです。漆(うるし)のような暗闇ではありませんか。どうしてあかりをつけて照らしてくださらないのです?」