雀鼠(じやくそ)
山中一夕話
梁(りよう)の文人張士簡(ちようしかん)は、酒好きで俗気がなく、ほとんど家事をかえりみなかった。あるとき家童を新安(しんあん)へやって米二千石(ごく)を運ばせたが、着いたときには半分に減っていた。わけをきくと家童は、
「雀鼠耗(じやくそこう)(目減り)です」
といった。すると張士簡は笑っていった。
「壮(そう)なる哉(かな)、雀鼠!」