怠慢
雪濤諧史
ある役人が吏部(りぶ)(官吏の任免賞罰などを司る中央官署)に呼び出されて、お叱りを受けた。
「どうしてお叱りを受けたの」
と妻にたずねられて、
「吏部がわしのことを職務怠慢だというんだ」
というと、妻はほっとして、
「怠慢でよかったわ。もし不謹慎だということがわかったら、このわたしまでお叱りを受けなければならないもの」