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日语美文听力:02-茶之味
日期:2011-09-06 10:44  点击:2466

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  お茶の味
  「そろそろ店を閉めようか。」幸田さんは時計を見ながらそう思った。通りの街灯はもう明かりがついていた。
  先代から受けついだ店をなんとかやってきた。自分なりのやり方で、新しいお得意さんもできた。いついなくそんな考えにふけりながら、店を見まわしたとき、冷たい風が舞いこんで、お客さんが入ってきた。それがいつも上等のお茶を買いに来ていた女性だと気付くのに、時間がかかった。
  もう何年も前から決まって、毎月買いに来てくれていた。落ち着いたたち振る舞いや、洋服の趣味の良さなど、テンショウがよく似合っていると思った。ところが、ここ一二年、ぱったり見かけなくなった。気になっていたが、どこの誰かもわからなかったので、そのうち忘れていた。久しぶりの来店に、見違えてしまった。すっかりやつれて、別人かと思った。
  変わっているのは、それだけではなかった。いつもなら迷わず、テンショウを買ってもらうのに、ずいぶん迷っている。奥にいた奥さんもおかしいと思った。
  「寒くなりましたね。お茶を入れましたので、どうぞ。」そっと声をかけて、店の隅のテーブルにお茶を置いた。
  奥さんが店に出るようになってから、お客さんにお茶を出すようになった。「どのお茶にしようか」迷っているお客さんには、それとなくお勧めのお茶を入れて出す。決して押し付けがましくなくて、そのタイミングが絶妙だった。それを売りにするつもりなどなく、実にさりげなかった。
  「ありがとうございます。」女性客は申し訳なさそうに腰をおろし、ゆっくりとお茶を飲んだ。
  「ああ、やっぱりおいしい。」ため息とともに、そういうと、ハンカチで目を覆った。
  「お客さん、」あとは奥さんにまかせて、幸田さんは黙って奥へ引っ込んだ。
  「ごめんなさい。久しぶりにテンショウをいただいたので、つい???主人がとても好きだったんです。もう一度飲ませてやりたかったと思うと???もう吹っ切れていたはずなのに。」
  「ご主人、お亡くなりに???」
  黙ってうなづき、またハンカチで涙をぬぐった。
  奥さんは何も言わずに、自分も腰をおろした。
  「お恥ずかしいですが、主人と一緒になるまでは、お茶なんて何でもよかったんです。」女性客は涙を止めるように、話し出した。
  彼女の主人は腕の良い建具職人だった。昔語りで人がよかったが、お茶にだけはうるさかった。することや、料理には何も言わなかったが、彼女の入れるお茶が気にいらなくて、いつも文句を言っていた。
  「わたしがお茶の味がわからなかったのが、いけなかったんです。」思い出すように話すのを、奥さんは黙って聞いていた。
  「それでも、何度も叱られているうちに、わたしにも何となくわかるようになってきました。何十年も一緒にいて、ようやくお茶がおいしいと思うようになった頃に???」
  店の外はもう暗くなっていた。街路樹はすっかり葉を落して、街灯にふるえていた。
  「主人、筋ジストロフィーだったんです。」
  「まあ???」
  「最初は歩くのが不自由だった。原因がわからなくて、病院を転々とした。筋ジストロフィーだとわかったときには、もう車椅子の生活だった。年を取ってからの発病だったので、二か月の命だって言われました。」
  「そんな???ひどい。」奥さんは急に口の中が苦くなるのを感じた。
  「治療法がないです。死を待つだけ、残酷の病気です。二か月の命と告げられてから、二年後に亡くなりました。頑張ったんですよ。」彼女はもう泣いていなかった。代わりに、奥さんの目には涙があふれていた。
  「皮肉なものですね、やっとお茶の味がわかって、ようやくあの人のことを理解できたと思った頃に???思い出すのがつらくて、テンショウを飲まないようにしていました。それなのに、近くまで来ただけなのに、気が付いたら店の中にいました。でもよかった。奥さんのお茶をいただいて、わかりました。主人はまだわたしの中にいるんです。このお茶は、主人がわたしに残してくれた大切なものなんです。」
  奥さんは何か言うと、涙声になりそうで、黙って何度もうなづいた。
  「すみません。すっかり話し込んでしまって。いつもの???」
  「ありがとうございます。いつものテンショウです。」いつの間にか店に出てきていた幸田さんは、包装したテンショウを差し出した。
  すっかり更けてしまった街には、イルミネーションが躍っていた。その中を帰っていく女性客を見送りながら、奥さんは思った、「お茶の味、わたしはわかっているだろうか。あの人は私のお茶を、どんな思いで飲んでいるのだろう。」
  茶之味:
  快到关门的时间了吧,幸田一边看着表一边想。街道上已经亮起了灯光。
  他继承了这家店铺,因为经营独到,有越来越多的客人喜欢上了这间小店。幸田感慨着环视四周,一股冷风从门那边吹进来,有客人进店了。
  幸田过了好一会,才想起这原来就是那位经常买上等茶的女顾客。
  几年前,她曾经每个月都来买茶,那端庄的举止、得体的套装与“天祥”十分匹配。
  可是这两年完全看不见她了,最开始时还想着这个人,不过因为不晓原因,大家也就渐渐淡忘了。这次到来,她几乎让人认不出来了,简直像是换了个人,而变化还不仅如此。以前她从来都是直接买“天祥”的,可是现在却犹豫再三,在里屋的妻子也觉得有些奇怪。
  “天气越来越冷了啊,给您沏了杯茶,请慢用。”
  妻子轻轻地对她说,把茶放在了店角落里的茶几上。
  自从妻子也开始一起经营茶店之后,她常常为客人沏茶。当客人犹豫不决的时候,她会很自然地端上杯自己推荐的茶。因为总是能够恰到好处地端上茶,而不是强人所难地让顾客买茶,她没有把这当成纯粹的生意,这反而让客人觉得自然亲切。
  “谢谢。”
  女顾客深深地鞠了一躬,开始品茶。
  “真是好茶啊!”她感慨地拿起手帕遮住了眼睛。
  “您……”
  幸田没有说话退到后堂,把这里交给了妻子。
  “对不起,好久没喝天祥,所以就……”
  “我丈夫非常喜欢喝,好想让他再喝一次啊……可是他却不在了。”
  “您丈夫已经……”
  她默默的点点头,拿手帕拭去眼泪。妻子什么都没说,只是坐在他身边。
  “说起来惭愧,和他生活在一起之前,我对茶几乎一无所知。”
  女顾客止住眼泪开始讲述。
  她的丈夫是位优秀的门窗隔扇手艺人,脾气随和,只是对荼比较挑剔。家务、烧饭什么都不在乎,可是总是抗议她的茶泡得不好。
  “他总接受不了我不会品茶。”
  女顾客慢慢地讲述,妻子默默地听着。
  “就这样被他抱怨了几次之后,我也慢慢开始懂茶了,在一起几十年,我终于体会到茶的美味,可这时候……”
  屋外黑了下来,街道两旁的树上不多的残叶在街灯中摇曳。
  “老公他患的是肌肉萎缩。”
  “嗯……”
  “最开始只是走路有些吃力,为查清病因而辗转于各个医院之间,得知是肌肉萎缩的时候已经只能在轮椅上了。”
  ……


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