空中ブランコ
男は、去年の夏までこの浜にいて、|海鼠《なまこ》採りの潜水夫をしていたが、サルベージ会社に腕を買われて、いまは紀州の方へ働きに出ている。
それが、今度、五日間の休暇を貰って、十カ月ぶりで浜に帰ってきた。女房に、初めての子供が生まれたからである。男の子だといい。いや、きっと男の子だ。そう思いながら帰ってきたら、思った通り女房は男の子を生んでいた。
けれども——彼が今夜酒に酔っているのは、べつにそのことをひとりで祝ったからではないのだ。
三
男は、去年の夏までこの浜にいて、|海鼠《なまこ》採りの潜水夫をしていたが、サルベージ会社に腕を買われて、いまは紀州の方へ働きに出ている。
それが、今度、五日間の休暇を貰って、十カ月ぶりで浜に帰ってきた。女房に、初めての子供が生まれたからである。男の子だといい。いや、きっと男の子だ。そう思いながら帰ってきたら、思った通り女房は男の子を生んでいた。
けれども——彼が今夜酒に酔っているのは、べつにそのことをひとりで祝ったからではないのだ。






