追い詰められてブラジャーの真似をする
爆笑!で終わって、ただひたすらに面白い句としてもよいのだが、何度も読み返していると、「追い詰められて~の真似をする」に笑ってだけいては済まされないような悲哀と、さらに言えば危機感が漂っていると思えてくる。この危機感があるからこそ、「ブラジャー」というある意味分かりやすい、読者を立ち止まらせる言葉が活きる。そしてこの危機感と無根拠な「ブラジャー」の選択によって、読者は哄笑せざるを得なくなるのだ。この句を読んで笑わない(笑えない)ならば、ひどく不安になるのではないか。