夕張の月もメロンも四角なり
夕張市の財政破綻をテーマにした時事吟かとも感じるが、それよりも、まったく無意味かつ無根拠な句として読むほうが楽しい。「月もメロンも四角」というのはまったくデタラメなのだが、そのデタラメを大見えを切って、しかも夕張の広い風景をバックに決めてみせる爽快。そこからひるがえって考えれば、時事的なテーマをこうしたナンセンスな作品で取り上げることは、一種の救いとなることが大いにありそうだ。それが現代の川柳のひとつのあり方かなという気がしてくる。