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一房の葡萄03
日期:2021-02-18 10:00  点击:378

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今ではいつの頃だったか覚えてはいませんが秋だったのでしょう。 葡萄の実が熟していたのですから。 天気は冬が来る前の秋によくあるように空の奥の奥まで見すかされそうに晴れ渡った日でした。 僕たちは先生と一緒に弁当を食べましたが、その楽しみな弁当の最中でも僕の心はなんだか落着かないで、その日の空とはうらはらに暗かったのです。 僕は自分一人で考えこんでいました。 誰かが気がついて見たら、顔もきっと青かったかも知れません。 僕はジムの絵具がほしくってほしくってたまらなくなってしまったのです。 胸が痛むほどほしくなってしまったのです。 ジムは僕の胸の中で考えていることを知っているにちがいないと思って、そっとその顔を見ると、ジムはなんにも知らないように、面白そうに笑ったりして、わきに坐っている生徒と話をしているのです。 でもその笑っているのが僕のことを知っていて笑っているようにも思えるし、何か話をしているのが、「いまに見ろ、あの日本人が僕の絵具を取るにちがいないから。」といっているようにも思えるのです。 僕はいやな気持ちになりました。 けれどもジムが僕を疑っているように見えれば見えるほど、僕はその絵具がほしくてならなくなるのです。
现在也记不起是什么时候的了,大概是秋天。 葡萄成熟了。 天气是冬天来之前秋天常有的万里无云的晴空。 我们和老师一起吃便当,但那么快乐的吃饭我的心不知为何惴惴不安,和那天的天气相反很灰暗。 我一个人陷入了沉思。 可能谁注意到了,可能我的脸变得更青了。 我想要吉姆的颜料想得不得了。 想要的胸口疼。 我感觉吉姆一定知道我想的事,偷偷地看一眼,吉姆像什么都不知道似的笑着,坐在旁边和学生讲话。 但是觉得那个笑是知道我做的事情的笑,虽然在说着什么,但是好像在说“看一定是那个日本人把我的颜料拿走了。” 我的心情变得很坏。 但是越看越觉得吉姆在怀疑我,但是我想要那个颜料想得不得了。

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