「なので」は接続詞ではない
“なので”不是接续词
「なので」は、意外に間違った使い方をしている人が多い言葉です。
“なので”想不到是一个很多人都会搞错的词。
間違った例と正しい例を見てみましょう。
我们来看一下错误示例和正确示例吧。
× 明日は飲み会です。なので、帰りが遅くなります。
× 明天有聚会。所以回去会晚些。
○ 明日は飲み会なので、帰りが遅くなります。
○ 因为明天有聚会,所以回去会晚些。
「なので」は連語と言って、複数の単語からなりたっているものの、まとまった形で一つの単語と同様に使われている表現です。
“なので”是一个连语,由多个单词构成,但是整体上与一个单词一样使用。
文法的に説明すると「断定の助動詞“だ”の連体形=“な”」や「形容動詞の連体形活用語尾=“な”」に「接続助詞“ので”」が付いたものです。
从语法角度说,“なので”是“断定助动词‘だ’的连体形=‘な’”或“形容动词的连体形活用词尾=‘な’”的后面接上“接续助词‘ので’”。
これがなにを意味するかというと「なので」は一つの接続詞ではないということです。
要说这是什么意思,就是“なので”不是一个接续词。
そもそもが助動詞や形容動詞の語尾から始まる語なので文頭にくることはありません。
它原本是从助动词和形容动词的词尾衍生出来的,所以不出现在句子开头。
※平成14年以降の辞書には接続詞として認めるものが出てきたようです。
※平成14年之后的一些词典里认可了“なので”可作为接续词使用。
なぜ「なので」を文頭に使ってしまうのか
为何“なので”在句子开头使用呢
「なので」を接続詞で言い換えるとすると「だから」がそれにあたります。
若把“なので”说成接续词,应该对应“だから”。
× 明日は飲み会です。なので、帰りが遅くなります。
× 明天有聚会。所以,回去会晚些。
○ 明日は飲み会です。だから、帰りが遅くなります。
○ 明天有聚会。所以,回去会晚些。
文の意味は変わりませんが、「だから」の方が語感が強いような気がします。
句子意思没有改变,但感觉“だから”的语感更强烈一点。
これは音声学的に考えると分かりやすいです。
这从音声学角度考虑就很容易理解。
「だ」や「か」を発音しているときの息の勢いは速く、な行を発音しているときはゆるやかですよね。
发“だ”和“か”音时会很快,而发“な”行的音时会比较缓慢。
「だから」は子音に[d]や[k]などの破裂音を含んでいるため強い印象を受け、逆に「なので」は子音の[n]により柔らかい印象を与えるのです。
“だから”的子音里包含“d”和“k”等的破裂音,因此给人很强的印象,相反“なので”的子音里有“n”,所以给人柔软的印象。
また、もともと持っている意味合いからみても「なので」は客観的、「だから」は主観的なニュアンスを含んでいます。
此外,从它们原本包含的意思来看的话,“なので”是客观的,“だから”带有主观因素。
そこで、衝突を避け、柔らかく婉曲的に物事を伝える表現として、「なので」を文頭に使いコミュニケーションを図る人が増えています。
所以,为避免冲突、委婉传达,把“なので”放在句子开头使用的人越来越多了。