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海底魔术师-长着条形花纹的怪人(1)
日期:2021-09-08 23:51  点击:258

だんだら怪人


 大洋丸の沈んでいる海底には、魚形潜航艇がゆうゆうと泳ぎまわっていました。その背中には、やっぱり、鉄の人魚がうずくまっています。この怪物は、潜航艇の上部のガラス窓から、中の手下たちにさしずをしているのでしょう。まるで将軍が馬にまたがるように、潜航艇にまたがっているのです。
 そこへ、ふいに水がさわいで、上の方から、スーッと大きな黒いものがおりてきました。明智の潜航艇です。この潜航艇は遊覧用のものですから、前と横とに、あついガラスの窓がついています。その窓から艇内の電灯の光がもれているのです。それを遠くから見ると、へんなところに三つ目のある怪物のようです。
 鉄の人魚はそれに気づくとギョッとしたように、身がまえをして、じっとその方をにらんでいます。
 潜航艇は魚形艇とおなじ深さまで沈むと、そこにとまって、いきなり、艇内の電灯をパッパッと、つけたり消したりしはじめました。そのたびに、三つのガラス窓が、またたきでもするように、暗くなったり、明るくなったりするのです。
 これは、明智探偵にいいつけられたとおり、光によるモールス信号を発しているのです。トン・トン・ツーという、あの電信のモールス信号を、光によって、やっているのです。怪物団の方にも、モールス信号ぐらい、わかるやつがいるだろうと、それをためしているのです。
 すると、魚形潜航艇の二つの目が、パチパチとまたたきはじめました。モールス信号が、わかるという答えです。そこで、こちらは、ほんとうの通信をおくりました。
「スグニココヲ、タチノケ、タチノカナケレバ、スイライヲ、ハッシャスルゾ」
 水雷なんかもっていないのですが、こちらは海軍の潜航艇とおなじかたちですから、そういえば、敵はおどろくにちがいないのです。
 あんのじょう、魚形潜航艇は動きだしました。大洋丸のそばをはなれて、どこかへにげていくのです。
 こちらは、すかさず、それを追っかけます。二せきの小型潜航艇は海底競走です。二つ目玉の小クジラを追う、三つ目の怪物、それの通過するみち、海水はさかまき、さかなどもは、はねとばされ、長い海草は、あらしにふきつけられたように、みだれさわぎ、すさまじい海の底の追っかけっこです。
 明智の方の潜航艇は、なんといっても遊覧用ですから、それほどの速力はありません。ざんねんながら、魚形艇の速力には、かなわないのです。だんだん、あいだがへだたっていくばかりでした。
 そして、五分ほど追っかけているうちに、あいてを見うしなってしまいました。あいては、二つ目玉のようなヘッドライトを消したのです。そして、海の底の暗やみにまぎれて、どこかへ見えなくなってしまったのです。こちらの操縦士たちは、なんだか敵が、パッとかきけすように見えなくなったような気がしました。忍術でもつかったようなかんじでした。しかしともかく、敵を追っぱらったのですから、あとは、大洋丸のまわりをぐるぐるまわって、けいかいさえしていればよいのです。そこで、ハヤブサ丸の明智探偵に、無電をうちました。
「テキテイモ、テツノニンギョモ、ニゲサッタ、ホンテイハ、フキンノ、ケイカイニアタル、スグ、センスイフヲイレヨ」


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