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少年侦探团-你就是二十面相!(1)
日期:2021-09-19 23:57  点击:240

きみが二十面相だ!


 大鳥氏はびっくりして、キョロキョロと部屋の中を見まわしました。しかし、賊の姿などどこにも見あたりません。
「ハハハ……、ごじょうだんを。ここにはわしたち四人のほかには、だれもいないじゃありませんか。」
 いかにも、戸をしめきった十畳の座敷には、主人の大鳥氏と、老支配人の門野と明智探偵と小林少年の四人のほかには、だれもいないのです。いったい明智は何をいっているのでしょう。頭がどうかしているのではないでしょうか。
「そうです。ここには、われわれ四人だけです。しかし、二十面相はやっぱりこの部屋にいるのです。」
「先生、あなたのおことばは、わたくしどもにはさっぱりわけがわかりません。もっとくわしくおっしゃっていただけませんでございましょうか。」
 しらがの老支配人は、オドオドしながら、探偵にたずねました。
「ほう、あなたにもまだわからないのですか。で、あなたは二十面相がどこにいるか、ききたいとおっしゃるのですね。それを言ってもいいですか。」
 明智は老支配人の顔をじっと見つめてから、意味ありげにいいました。
「エッ、なんとおっしゃいます?」
 門野老人は、なぜかギョッとしたように探偵を見かえしました。
「だれが二十面相だか、すっぱぬいてもかまわないというのですか。」
 明智の目に、電光のようなはげしい光がかがやき、グッと相手をにらみつけました。老支配人はその眼光に射すくめられでもしたように、返すことばもなく、思わず目を伏せました。
「ハハハ……、おい、二十面相、よくも化けたねえ。まるで六十の老人そっくりじゃないか。だが、ぼくの目をごまかすことはできない。きみだ! きみが二十面相だ!」
「と、とんでもない。そ、そんなばかなことが……。」
 門野支配人はまっさおになって、弁解しようとしました。
 主人の大鳥氏も、それにことばをそえます。
「明智先生、それは何かのお思いちがいでしょう。この門野は親の代からわしの店につとめている律義者(りちぎもの)です。この男が二十面相だなんて、そんなはずはございません。」
「いや、あなたは、二十面相が変装の大名人であることを、おわすれになっているのです。なるほど、ほんとうの門野君は律義な番頭さんでしょう。しかし、この男は門野君ではありません。あの予告があってからまもなく、二十面相はほんとうの門野君をある場所に監禁して、自分が門野君に化けすまし、お店に出勤していたのです。
 いや、お店に出勤していたばかりではありません。門野君の自宅へも、ずうずうしく毎晩帰っていた。家族の人たちでさえ、それを少しも気づかなかったのです。」
 ああ、そんなことがありうるのでしょうか。今、目の前に立っている老人は、どう見ても門野支配人とそっくりです。どこに一つ、あやしい個所はありません。いったい、それほどたくみな変装ができるものでしょうか。
 一同があっけにとられて、明智探偵の顔を見つめている、ちょうどそのときでした。ああ、またしても、どこからともなく、あのおそろしい声が聞こえてきたではありませんか。
「フフフ……、明智先生も老いぼれたもんだねえ。二十面相をとりにがした苦しまぎれに、何も知らない老人に罪を着せようなんて……。おい、先生、目をあけて、よく見るがよい。おれはここにいるんだぜ。二十面相はここにいるんだぜ。」
 ああ、なんという大胆不敵、賊はまだこの部屋のどこかにかくれているのでしょうか。
「先生、あれです。あれが二十面相です。やっぱり天井から聞こえてくる。ね、おわかりでしょう。門野君じゃございません。門野君は二十面相じゃございません。」
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