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宇宙怪人-宇宙怪人的末日(04)
日期:2021-10-02 01:09  点击:377

 だが、きみたちの考えは、おもしろいが、こんな子どもだましでは、世界じゅうの人を、感心させることはできないよ。そのうえ、きみたちは、物をぬすんだり、罪のない人をおびやかしたり、さらったりしている。それはやっぱり、悪いことだ。この悪いことにたいして、ばつをうけなければならない。ことに、きみは、二十面相のころから、かぞえきれない悪事を、はたらいてきた。そして、なんど、つかまっても、そのたびに脱獄している。どんなおもいばつを、くわえても、たりないくらいだ。
 いま、きみは、かくごしているといったね。では、おとなしく、警視庁へ来たまえ。おもてには、ちゃんと護送車が待っている。ことわっておくが、いつものように、逃げようとしても、こんどは、だめだぞ。このやしきのまわりは、数十人の警官が、とりまいている。また、隅田川には、水上警察の汽艇(きてい)が、川上と川下に、いくそうも、見はりをしている。陸からも川からも、のがれるみちは、全くないのだ。」
「フフン、そんなことは、百もしょうちだ。だが、四十面相はノメノメと、つかまりはしないぞ。おれには、いつでも、おくの手があることを知らないのか。」
 虎井博士の四十面相は、ついに、悪ものの本性をあらわして、にくにくしく、いいはなったかと思うと、右の足で床の一ヵ所を、グッとふみつけました。すると、かれの足の下の床板が、一メートル四方ほど、パタンと下におちて、そこに、四角いまっくろなあなができました。そして、四十面相のからだは「アッ。」とおもうまに、そのあなの底へ、おちていったのです。
「たいへんだ。やつは、潜航艇にのって、逃げるつもりだ。」
 だれかが、さけびました。
「だいじょうぶ。潜航艇は動かない。ぼくの部下が、水底の部屋にしのびこんで、潜航艇のキカイを、こわしておいたのだ。このあなは、水底の部屋につづいているのに、ちがいない。四十面相は、もう袋のネズミだ。だが、みんな、あわててはいけない。しばらく、ようすを見よう。あいつのことだから、どんなあぶないしかけを、よういしていないとも、かぎらない。」
 明智探偵は、あなにとびこんで、おっかけようとする人々をとめて、中村警部に、目であいずをしました。
 すると、中村警部はおもてへ、かけ出して行って、よびこを吹きならし、博士邸をとりまいている一隊の警官に、犯人が逃げたことをつたえ、けいかいを厳重にしました。また、水上警察の汽艇にも、ラジオれんらくによって、犯人が川へ逃げるかもしれないから、注意するようにと、つたえました。すると、水上の汽艇は、いっせいに、サーチライトのスイッチをいれ、博士邸のうらの水面を、てらしだしました。しかし、まもなく、じつにおそろしいことが、おこったのです。
 四十面相が、床のあなに、とびこんでから、十分ほどたったころ、陸上の人々も、水上汽艇の警官たちも、まるで爆弾でもおちたような、はげしいショックを感じて、おもわず身をふせました。
 博士邸のうらの隅田川から、火山のふんかのような大きな火の柱が、空たかくふきあがったのです。
 いっしゅんかん、そのへん、いったいが、まひるのように、あかるくなり、百のかみなりが、いちどにおちたような、おそろしい音がひびきわたりました。
 これが、怪人四十面相のさいごでした。かれは、水底のコンクリートのへやに逃げこみ、潜航艇で、東京湾へのがれようとしたのですが、潜航艇のキカイが、こわされていることを知り、今はこれまでと、水底(すいてい)のへやによういしてあった、爆薬に火をつけたのです。
 ああ、四十面相はついに、この爆発によって、いのちをうしなってしまったのでしょうか。それとも、もしや、それとも……?


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