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怪人与少年侦探-地底之声
日期:2022-02-06 23:53  点击:268

地底の声


 明智探偵と、小林少年と、中村警部と、おおぜいのおまわりさんの力で、怪人の家にとじこめられていた、野村みち子ちゃんは助け出されました。これで、もう怪人はみち子ちゃんのおとうさんを、おどかして、宝石を手に入れることはできなくなったわけです。怪人の家の一室には、ぬすみためた宝石や、金銀の美術品が、たくさん置いてありました。これも、すっかりとりもどしましたから、すぐに、もとの持ち主にかえせるわけです。ところが、怪人がどこへかくれたのか、まだ見つかりません。手下が、ふたりつかまりましたが、怪人のかくれ場所は、このふたりも知らないというのです。それから、井上君とポケット小僧を、助け出さなければなりません。この少年たちが、どこにかくされているかも、まだすこしもわからないのです。そこで、またしても、()さがしがはじまりました。いく組にもわかれて、あちこちのへやをさがすのです。明智探偵と、小林少年と、三人のおまわりさんが、懐中電燈をつけて、一階のへやからへやをまわっていました。
「あっ、なんだか、かすかな声がしましたね」小林少年が、すばやく、それを聞きつけて、明智探偵の顔を見ました。たしかに、聞こえます。かすかに、かすかに、
「助けてくれえ……、ぼくら、ここにいるんだよう……」
 小林君は、なにを思ったのか、いきなり床に身をふせて、床板に耳をつけました。
 その声は床の下からくるように感じられたからです。
「ぼく井上だよう……」
「ぼくポケット小僧だよう……」
「水の中にいるんだよう。死んじまうよう……」
 ほそい声が、はっきりと聞こえました。
「先生、井上君と、ポケット小僧です。水ぜめにあっているらしいのです」
 しかし、そこへ行く道がわかりません。
「この床板を破りましょうか」警官のひとりが、どなりました。
「いや、待ってください。破るのには時間がかかる。もっといい方法があるかもしれません」
 そのへやのまん中に、大きな机と、りっぱないすが置いてありました。そのほかには、なんの道具もないのです。小林君は、いきなり、懐中電燈を持って、その大机の下へ、もぐりこみました。いままでの、たびたびのけいけんで、床のおとし穴を開くボタンが、机の板の下がわに、ついているかもしれないと思ったからです。
「あっ、あったぞっ……」
 机の色と同じで、ちょっと見たのではわからないような、小さなポッチが見つかったのです。小林君はグッとそれを押しました。
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