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怪人与少年侦探-取下面具的话
日期:2022-02-06 23:53  点击:267

お面をとれば


 ここでまた、地下道にもどります。
 手足をしばられて、ころがされた怪人は、へんなことを、どなりつづけています。
「ばかやろう。さっきから、あんなにいっているのが、きこえないのかっ。このお面をとってくれ。そうすれば、すっかりわかるんだ。はやく、とってくれ」
 怪人は、ぴったりと、顔にくっついた、ビニールのお面をかぶっていたのです。怪人の顔が、いつも、人形のように見えたのは、そのためでした。
 お面とわかれば、とれといわれなくても、とって、すがおを見なければなりません。
 中村警部は、ころがっている怪人の上に、かがみこんで、ビニールのお面を、かわをむくように、とりさりました。
「あっ、きみは……」
 警部が、びっくりして、さけんだのです。
 お面の下から、あらわれたのは、警部がつれてきた、部下のおまわりさんの顔だったからです。
「わたしです。まんまとしてやられました。さっきから、あれほど、どなっているのに、だれもきいてくれないものだから……」お面をはがれたおまわりさんが、ざんねんそうにいうのです。
 中村警部には、すぐに、事のしだいが、わかりました。
 怪人はこの警官を、地下道の小べやに、ひっぱりこんで、じぶんの服を着せ、お面をかぶせ、じぶんは警官の服を着て、とっくみあいながら、「怪人をつかまえた」といって、みんなを、よんだのです。そしてみんなが、怪人の服とお面をつけた警官に、とびかかっているすきに、その場をにげだしてしまったのです。
「そうだっ。マンホールから、にげたかもしれないぞっ」
 警部は、そこへ気がつきました。そばにいたおまわりさんを、ふたりつれて、すぐに、マンホールへ、いってみました。マンホールの鉄のふたは、開いたままです。
 中村警部は、そこから、はい上がって、見はりのおまわりさんに、声をかけました。
「いま、ここから、警官がひとり、出ていかなかったかね」
「出ていきました。中村警部さんのいいつけだといっていました」
「きみたちの知らない顔だったね」
「はい、わたしたちはパトロールカーのものですが、出ていったのは警部さんといっしょにきた人で、顔見知りではありません」
 そこから、まちがいがおこったのです。もし、同じ部の警官ばかりが、きていたら、怪人のばけたおまわりさんは、すぐに見やぶられたにちがいありません。
「その警官が、宝石どろぼうの怪人だったのさ」
 中村警部が、がっかりしたように、つぶやきました。
「えっ、あれが怪人ですって。じゃあ、どうして警官の服を着ていたのです」
「それはね、こういうわけなんだ。うまい手だよ」
 警部は、事のしだいを話してきかせました。それを聞くと、見はりのおまわりさんは、じだんだふんで、くやしがりましたが、もうあとのまつりです。
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