まさかのはなし その2 「自分の頭を食べたヘビ」
還有這種事、其二 吃了自己头的蛇
むかしむかし、きっちょむさんと言う、とんちの上手な人がいました。
到好久好久以前、有一個喊吉四六的異想天開的人。
きっちょむさんの村には話しを聞くのが何よりも好きなお金持ちのおじいさんがいて、
他村裡面不是有一條好喜歡聽別個港故事的有錢老爺嗎?
以前、きっちょむさんにたのんで話しをしてもらったのですが、
之前他求四六跟他港話。
「まさか、そんな事はありゃんすめえ」
我日、怎麼可能有這種事。
と言わない約束に失敗して、きっちょむさんにお米を一俵(いっぴょう)取られた事があります。
跟他打賭一袋米、因為港不能港這句話、這就輸去一袋米。
そのおじいさんが、またきっちょむさんに言いました。
這次這個老爺又跟四六港。
「きっちょむさん、たいくつでたいくつで仕方ないんじゃ。何か話をしてくれんかな」
我又閒到個沒卵事、和我扯哈卵淡打發一哈時間嘛。
「まあ、しても良いですが、今度もまた話しの途中で『まさか、そんな事はありゃんすめえ』と、言わない約束をしてくれますか?」
可以、這回和上次一樣、又是、我日怎麼可能有這種事、可以吧?
「いいとも、いいとも。もしも言ったら、今度も米を一俵(いっぴょう)やろう」
可以、這次我要是港了、你又是一袋米。
「また、米ですか。前にもらった米にも手をつけていないので、今度は米ではなく、お金の方が」
你上次跟我過的那袋我都米吃完、這次我們壓錢。
「よし、それなら、こうしよう。ここに千両箱を置いて、もしもわしがその言葉を言ったら、その千両箱を持って帰ってもいいから」
那這麼到、這是千金、我要是、我日這怎麼可能、我只要港了、我千金跟你過。
おじいさんが本当に千両箱を用意したので、きっちょむさんは話を始めました。
老爺是真的壓了千金、四六這就準備開始了。
「これはむかしの話ですが、あるところにクチナワというヘビがいました。
這又是好久之前的事、有一條喊腐繩的蛇。
そのヘビは冬ごもりの準備に、どこからか手に入れた餅(もち)を巣穴に持ち込みました」
「ふむ、なるほど」
他要過冬嘛、就從甚麼地方搞回來一坨粑粑、它就放到它屋裡面的。
哦、這個樣子哦
「そして冬になって雪がつもり始めた頃、ヘビは巣穴の中でその餅を食べようとしたんだが、何と餅と思っていた物は、実は餅に似た白い石でした」
「ふーむ、なるほど」
然後冬天嘛、這不就下雪啦、那就積雪了嘛、那這蛇就要吃粑粑、但那根本就不是粑粑、是一塊礙頭(石)、他只是長得像粑粑而已。
「外はすでに大雪なので、今さら食べ物を探しに行くことも出来ない。
外面都是雪、我現在出去也邏不到東西吃。
こまったヘビは仕方なく、くるりと首を回して自分の尻尾を一口かじった」
那這蛇只能吃自己尾巴啦。
「なるほど、なるほど」
這個樣子哦、是這個樣子。
「それからもヘビはお腹が空くと自分の尻尾をかじっていって、冬が終わる頃には、残っているのは頭だけでした」
那這一餓就只能吃尾巴、等冬天過完、尾巴也完了、這就只剩一條頭了。
「うーむ。まさか・・・」
這怎麼可
おじいさんは言いかけて、危なく思い止まりました。
哎喲、又差點港出去了、幸好停落來。
「体がなくなっては、春になっても動く事が出来ない。
這就只剩一條頭、你到春天也動不了啦。
そこでヘビは仕方なく、
『おらの命も、いよいよこれまでか』
蛇估計也曉得自己要死了。
と、言って、最後に残った自分の頭を、大きな口を開けてパクリと食べてしまったんじゃ。
這就把自己最後的腦殼也吃了。
こうしてヘビは、この世から消えてしまった」
這條蛇就不見啦、就米得啦、米得這條蛇啦。
これを聞いたおじいさんはすっかりあきれかえって、思わず言ってしまいました。
遭這一港、這又不小心。
「まさか、そんな事はありゃんすめえ!」
我日、怎麼可能有這種事。
するときっちょむさんは、ニヤリと笑って、
這個時候四六就笑了。
「はい、千両箱をありがとうございます」と、
千両箱をかついで帰って行きました。
老闆感謝、發財、就帶到那條裝到千金的盒子回去了。