第2章 ドビーの警けい告こく Dobby's Warning
ハリーは危あやうく叫さけび声をあげるところだったが、やっとのことでこらえた。ベッドの上にはコウモリのような長い耳をして、テニスボールぐらいの緑の目がギョロリと飛び出した小さな生き物がいた。今朝、庭の生いけ垣がきから自分を見ていたのはこれだ、とハリーはとっさに気づいた。
互いにじっと見つめているうちに、玄げん関かんホールのほうからダドリーの声が聞こえてきた。
「メイソンさん、奥様、コートをお預あずかりいたしましょうか」
生き物はベッドからするりと滑すべり降おりて、カーペットに細長い鼻の先がくっつくぐらい低くお辞じ儀ぎをした。ハリーはその生き物が、手と足が出るように裂さけ目がある古い枕まくらカバーのような物を着ているのに気づいた。
「あ――こんばんは」ハリーは不安げに挨あい拶さつした。
「ハリー・ポッター」
生き物が甲かん高だかい声を出した。きっと下まで聞こえたとハリーは思った。
「ドビーめはずっとあなた様にお目にかかりたかった。……とっても光こう栄えいです……」
「あ、ありがとう」
ハリーは壁かべ伝づたいに机のほうににじり寄り、崩くずれるように椅い子すに腰こし掛かけた。椅子のそばの大きな鳥とり籠かごでヘドウィグが眠っていた。ハリーは「君はなーに」と聞きたかったが、それではあまりに失礼だと思い、「君はだーれ」と聞いた。
「ドビーめにございます。ドビーと呼び捨すててください。『屋や敷しきしもべ妖よう精せい』のドビーです」
と生き物が答えた。
第2章 多比的警告
哈利差点儿没叫出声来。床上的那个小怪物长着两只蝙蝠似的大耳朵,一对突出的绿眼睛有网球那么大。哈利马上想到,这就是早上在花园树篱外看他的那双眼睛。
他们对视着,哈利听到达力的声音从门厅传来。
“我替你们拿着衣服好吗,梅森先生和夫人?”
那怪物从床上滑下来,深深鞠了一躬,细长的鼻子都碰到了地毯上。哈利注意到他身上穿的像一只旧枕套,在胳博和腿的地方开了几个洞。
“哦—— 你好。”哈利不自然地说。
“哈利波特!”那怪物尖声叫道,哈利想楼下肯定能听到。“多比一直想见您,先生..不胜荣幸..”
“谢—— 谢谢。”哈利贴着墙壁挪动,坐到他桌前的椅子上,挨着在大笼子里睡觉的海德薇。他想问“你是什么”?但觉得这听起来太不礼貌,就问“你是谁”?“多比,先生。就叫多比,家养小精灵多比。”那怪物说。