「闇の罠わながここに仕し掛かけられています。それが起こる時、ハリー・ポッターはここにいてはいけないのです。家に帰って。ハリー・ポッター、家に帰って。ハリー・ポッターはそれにかかわってはいけないのでございます。危険すぎます――」
「ドビー、いったい誰が」
ドビーがまた水差しで自分をぶったりしないよう、手首をしっかりつかんだまま、ハリーが聞いた。
「今度は誰がそれを開いたの 以前に開いたのは誰だったの」
「ドビーには言えません。言えないのでございます。ドビーは言ってはいけないのです」
しもべ妖精はキーキー叫さけんだ。「家に帰って。ハリー・ポッター、家に帰って」
「僕はどこにも帰らない」ハリーは激はげしい口く調ちょうで言った。
「僕ぼくの親友の一人はマグル生まれだ。もし『部へ屋や』が本当に開かれたのなら、彼女が真っ先にやられる――」
「ハリー・ポッターは友達のために自分の命を危き険けんにさらす」ドビーは悲ひ劇げき的てきな恍こう惚こつ感かんで呻うめいた。「なんと気け高だかい なんと勇ゆう敢かんな でも、ハリー・ポッターは、まず自分を助けなければいけない。そうしなければ。ハリー・ポッターはけっして……」
ドビーは突とつ然ぜん凍こおりついたようになり、コウモリのような耳がピクピクした。ハリーにも聞こえた。外の廊ろう下かをこちらに向かってくる足音がする。
「ドビーは行かなければ」
しもべ妖よう精せいは恐きょう怖ふに戦おののきながらつぶやいた。パチッと大きな音がしたとたん、ハリーの手は空くうをつかんでいた。ハリーは再びベッドに潜もぐり込こみ、医い務む室しつの暗い入口に目を向けた。足音がだんだん近づいてくる。
“这里有人在策划阴谋,在事情发生的时候,哈利.波特千万不能待在这里。回家吧,哈利波特。回家。哈利波特决不能插手这件事,先生,太危险了—— ” “那是谁,多比?”哈利说,同时牢牢地抓住多比的手腕,不让他再用水罐打自己的脑袋。“谁打开了密室?上次是谁打开的?”“多比不能说,先生,多比不能说,多比绝对不能说!”小精灵尖叫着。‘‘回家吧,哈利波特,回家吧”“我哪儿也不去!”哈利烦躁地说,“我最好的一个朋友就是麻瓜出身的,如果密室真的被打开了,她是首当其冲—— ”
“哈利‘波特愿为朋友冒生命危险!”多比既伤心又欢喜地呻吟着,“多么高贵!多么勇敢!但他必须保住自己,他必须,哈利波特千万不能—— ”
多比突然僵住了,两只蝙蝠状的耳朵颤抖着。哈利也听见了。外面的过道里传来了脚步声。
“多比必须走了!”小精灵被吓坏了,喘着气说。只听得一声很响的爆裂声,哈利的拳头里突然一松,里面只剩下了空气。他跌回床上,眼睛看着漆黑的病房门口,脚步声越来越近了。