「すると――あなたはもう襲しゅう撃げきをやめさせたとでも」マルフォイ氏しが嘲あざけるように言った。
「犯人を捕つかまえたのかね」
「捕まえた」ダンブルドアは微笑ほほえんだ。
「それで」マルフォイ氏が鋭するどく言った。「誰なのかね」
「前回と同じ人物じゃよ、ルシウス。しかし、今回のヴォルデモート卿きょうは、ほかの者を使って行動した。この日記を利用してのう」
ダンブルドアは真ん中に大きな穴の開いた、小さな黒い本を取り上げた。その目はマルフォイ氏を見み据すえていた。しかし、ハリーはドビーを見つめていた。
しもべ妖よう精せいはまったく奇き妙みょうなことをしていた。大きな目で、いわくありげにハリーのほうをじっと見て、日記を指ゆび差さしては次にマルフォイ氏を指差し、それから拳こぶしで自分の頭をガンガン殴なぐりつけるのだ。
「なるほど……」マルフォイ氏はしばらく間を置いてから言った。
「狡こう猾かつな計画じゃ」
ダンブルドアはマルフォ