止める間もなく、ハリーはダイニングルームを飛び出し、階段下の物もの置おきに向かった。ハリーがそばまで行くと、物置の戸が魔法のようにパッと開いた。数秒後、ハリーは重いトランクを玄げん関かんまで引っ張り出していた。それから飛ぶように二階に駆かけ上がり、ベッドの下に滑すべり込こんで緩ゆるんだ床をこじ開け、教科書や誕たん生じょう祝いわいプレゼントの詰つまった枕まくらカバーをむんずとつかんだ。ベッドの下から這はいずり出し、空からっぽのヘドウィグの鳥とり籠かごを引っつかみ、脱兎だっとのごとく階段を駆かけ下りて、トランクのところに戻もどった。ちょうどその時、バーノンおじさんがダイニングルームから飛び出してきた。ズボンの脚あしのところがズタズタで血まみれだった。
「ここに戻るんだ!」おじさんががなりたてた。「戻ってマージを元どおりにしろ!」
しかし、ハリーは怒りで前後の見み境さかいがなくなっていた。トランクを蹴けって開け、杖つえを引ひっ張ぱり出し、バーノンおじさんに突きつけた。
「当然の報むくいだ」ハリーは息を荒あららげて言った。「身から出た錆さびだ。僕ぼくに近よるな」
ハリーは後ろ手でドアの取っ手をまさぐった。
「僕は出ていく。もうたくさんだ」
次の瞬しゅん間かん、ハリーはしんと静まり返った真っ暗な通りに立っていた。重いトランクを引っ張り、腋わきの下にヘドウィグの籠を抱かかえて。
在还未来得及阻止哈利以前,哈利就离开了这个房间,冲向楼梯下面的那个碗柜。他走到那里去的时候,碗柜的门神秘地打开了。几秒钟之内,他已经用力举起他的衣箱放到了大门口。他全速奔跑上楼,一头钻到床下,猛然掀开那块松动的地板,抓出那个装满了他的书和生日礼物的枕套。他扭动着身子从床底下退出来,一把抓住海德薇的空笼子,冲下楼梯奔向他的衣箱,这时弗农姨父正好从餐室出来。他的裤腿成了破破烂烂的布条。
“回到这里来!”他咆哮道,“回来,把事情弄好!”
但是,哈利正在不顾一切的狂怒之中。他一脚踢开那只衣箱,拉出他的魔杖,用魔杖指着弗农姨父。
“她活该,”哈利说,呼吸急促,“她是自作自受。你离我远点儿。”
他在身后摸索着寻找门栓。
“我走了,”哈利说。“我受够了。”
一会儿,他就出门到了黑暗、安静的街上了,他身后拖着沉重的衣箱,胁下夹着海德薇的笼子。