「いってぇ、なに見てる?」スタンが聞いた。
「何か黒い大きなものがいたんだ」ハリーはなんとなく隙間すきまのあたりを指さした。
「犬のような……でも、小山のように……」
ハリーはスタンのほうに顔を向けた。スタンは口を半開きにしていた。スタンの目がハリーの額ひたいの傷きずのほうに移っていくのを見て、ハリーは困ったなと思った。
「おでこ、それなんでぇ?」出し抜けにスタンが聞いた。
「何でもない」
ハリーは慌あわててそう答え、傷を覆おおう前まえ髪がみをしっかり撫なでつけた。魔ま法ほう省しょうがハリーを探しているかもしれないが、そうたやすく見つかるつもりはなかった。
「名めえは?」スタンがしつこく聞いた。
「ネビル・ロングボトム」ハリーは、一番最初に思い浮かんだ名前を言った。
「それで――それでこのバスは」ハリーはスタンの気を逸そらそうと急いで言葉を続けた。「どこにでも行くって、君、そう言った?」
「あいよ」スタンは自慢じまんげに言った。「お望みしでえ。土の上ならどこでもござれだ。水ん中じゃ、なーんもできねえが。ところで」
スタンはまた疑うたがわしげにハリーを見た。
「たしかにこのバスを呼んだな、ちげえねぇよな? 杖つえ腕うでを突き出したな、ちげえねぇよな?」
「ああ」ハリーは短く答えた。「ねえ、ロンドンまでいくらかかるの?」
「十一シックル。十三出しゃぁ熱いココアがつくし、十五なら湯たんぽと好きな色の歯ブラシがついてくらぁ」
“愿意往那儿看吗?”斯坦问。‘ “刚才那里有一个大的黑东西,”哈利说,不肯定地指着那块空地,“好像是条狗..但是大得..”他回过头来看斯坦,斯坦的嘴张开了一点。哈利带着一种不安的心情,看到斯坦的眼睛转到哈利前额上的那个疤上了。
“你头上那是什么?”斯坦突然问道。
“没什么。”哈利迅速地说,一面用头发盖住那块疤。如果魔法部在找他,他可不想让他们太轻易就找到了。
“你叫什么名字?”斯坦继续问道。
“纳威隆巴顿,”哈利说,这是他首先想起来的一个名字,“那—— 那么说,这辆公共汽车,”他迅速地说下去,希望分散斯坦的注意力,“你刚才是说它什么地方都能去,是吗?”
“是啊,”斯坦骄傲地说,“你想去的任何地方,只要是在陆地上的地方都行。水底下可去不了。咦,”他说,看上去又怀疑起来了,“你不是打信号要我们停车的吗?你伸出你的魔杖,不是吗?”
“对呀,”哈利赶快说,“听着,到伦敦去要多少钱?”
“十一个银西可,”斯坦说,“不过要是你付十四个,你就可以得到巧克力,付十五个,就可以拿到一个热水瓶和一把牙刷,颜色由你挑。”