ハリーはもう一度トランクの中を引ひっ掻かき回し、巾きん着ちゃくを引き出し、銀貨ぎんかをスタンの手に押しつけた。それからヘドウィグの籠かごをトランクの上にバランスよく載のせ、二人でトランクを持ち上げ、バスに引っ張ぱり上げた。
中には座席ざせきがなく、代わりに、カーテンの掛かかった窓まど際ぎわに、真しん鍮ちゅう製せいの寝しん台だいが六個並んでいた。寝台脇わきの腕木うでぎに蝋ろう燭そくが灯ともり、板張いたばり壁かべを照らしていた。奥のほうに寝ねている、ナイトキャップをかぶった小っちゃい魔法使いが寝言を言いながら寝返りを打った。――「ムニャ……ありがとう、いまはいらない。ムニャ……ナメクジの酢す漬づけを作っているところだから」
「ここがおめえさんのだ」
トランクをベッド下に押し込こみながら、スタンが低い声で言った。運転席のすぐ後ろのベッドだ。運転手は肘ひじ掛かけ椅い子すに座ってハンドルを握にぎっていた。
「こいつぁ運転手のアーニー・プラングだ。アーン、こっちはネビル・ロングボトムだ」
アーニー・プラングは分厚ぶあついメガネを掛けた年配の魔法使いで、ハリーに向かってこっくり挨あい拶さつした。ハリーは神しん経けい質しつにまた前まえ髪がみを撫なでつけ、ベッドに腰掛けた。
「アーン、バス出しな」
スタンがアーニーの隣となりの肘掛椅子に掛けながら言った。
もう一度バーンというものすごい音がして、次の瞬しゅん間かん、ハリーは反動でベッドに放ほうり出され、仰向あおむけに倒れた。起き上がって暗い窓から外を見ると、まったくさっきと違った通りを転ころがるように走っていた。ハリーの呆気あっけにとられた顔を、スタンは愉快ゆかいそうに眺ながめていた。
哈利又在他的衣箱里仔细寻找,扯出他的钱袋。把一些银币倒在斯坦手里。然后他和斯坦举起他的衣箱,箱子上敖着海德薇的笼子,两人就这样走上了公共汽车。
汽车里没有座位;在拉上了窗帘的窗子后面,放有六张带黄铜柱的床。每张床旁边的托架上都点着蜡烛,照亮了有护壁板的墙。一个小个子男巫,戴着睡帽,在汽车后部咕哝道:“现在可不要,多谢了,我在腌鼻涕虫呢。”一面在睡梦中翻了个身。
“你睡这张。”斯坦耳语道,把哈利的箱子塞到司机后面的那张床底下,司机坐在方向盘前面的一张扶手椅上。“这是我们的司机,厄恩普兰。厄恩,这是纳威·隆巴顿。”
厄恩普兰是一位年长的男巫,戴着镜片很厚的眼镜。他向哈利点点头,哈利慌张地再次抚平他的额发,坐在了他的床上。“开车吧,厄恩。”斯坦说,坐在厄恩旁边的扶手椅上。
又是巨大的砰的一声,哈利不由得倒在了床上,是骑士公共汽车的速度把他向后抛去的结果。哈利振作起来,向黑暗的窗外看去,看到他们现在正沿着一条完全不同的街道稳而快地行驶着。斯坦正饶有兴趣地看着哈利那张惊讶的脸。