ロンは身を屈かがめた。何やらでかいオレンジ色のものが、一番上にあったケージの上から飛び降おり、ロンの頭に着地したのだ。シャーッシャーッと狂ったように喚わめきながら、それはスキャバーズめがけて突とっ進しんした。
「コラッ! クルックシャンクス、ダメッ!」
魔女が叫さけんだが、スキャバーズは石せっ鹸けんのようにつるりと魔女の手をすり抜け、無様ぶざまにベタッと床に落ち、出口めがけて遁とん走そうした。
「スキャバーズ!」
ロンが叫びながらあとを追って脱兎だっとのごとく店を飛び出し、ハリーもあとに続いた。
十分近く探して、やっとスキャバーズが見つかった。「高級クィディッチ用具店」の外にあるゴミ箱の下に隠れていた。震ふるえているスキャバーズをポケットに戻もどし、ロンは自分の頭をさすりながら体をシャンとさせた。
「あれはいったいなんだったんだ?」
「巨大な猫か、小さなトラか、どっちかだ」ハリーが答えた。
「ハーマイオニーはどこ?」
「たぶん、ふくろうを買ってるんだろ」
雑ざっ踏とうの中を引き返し、二人は「魔法動物ペットショップ」に戻もどった。ちょうど着いた時に、中からハーマイオニーが出てきた。しかし、ふくろうを持ってはいなかった。両りょう腕うでにしっかり抱きしめていたのは巨大な赤あか猫ねこだった。
「君、あの怪かい物ぶつを買ったのか?」ロンは口をあんぐり開けていた。
「この子、素敵すてきでしょう、ね?」ハーマイオニーは得とく意い満まん面めんだった。
見けん解かいの相違そういだな、とハリーは思った。赤味がかったオレンジ色の毛がたっぷりとしてふわふわだったが、どう見てもちょっとガニ股まただったし、気き難むずかしそうな顔がおかしな具合につぶれていた。まるで、レンガの壁かべに正面衝しょう突とつしたみたいだった。スキャバーズが隠れて見えないので、猫はハーマイオニーの腕の中で、満足げにゴロゴロ甘あまえ声を出していた。
“别!克鲁克山,别!”女巫惊叫道,但是斑斑从她手里像一块肥皂似的滑脱了,四肢着地地落到地板上,然后向门边逃去。
“斑斑!”罗恩大叫,跟着它向店外飞跑;哈利跟在后面。