「ま、この人がちゃんと教えられるならいいけどね」ロンはだめだろうという口く調ちょうだ。
「強力な呪いをかけられたら一発で参まいっちまうように見えないか? ところで……」
ロンはハリーのほうを向いた。
「何の話なんだい?」
ハリーはウィーズリー夫妻ふさいの言い合いのことや、いましがたウィーズリー氏が警けい告こくしたことを全部二人に話した。聞き終わると、ロンは愕がく然ぜんとしていたし、ハーマイオニーは両手で口を押さえていた。やがてハーマイオニーは手を離はなし、こう言った。
「シリウス・ブラックが脱だつ獄ごくしたのは、あなたを狙ねらうためですって? あぁ、ハリー……ほんとに、ほんとに気をつけなきゃ。自分からわざわざトラブルに飛び込んでいったりしないでね。ね、ハリー……」
「僕ぼく、自分から飛び込んでいったりするもんか」ハリーは焦じれったそうに言った。
「いつもトラブルのほうが飛び込んでくるんだ」
「ハリーを殺そうとしてる狂きょう人じんだぜ。自分から、のこのこ会いにいくバカがいるかい?」
ロンは震ふるえていた。
二人とも、ハリーが考えた以上に強い反応を示した。ロンもハーマイオニーも、ブラックのことをハリーよりずっと恐れているようだった。
「ブラックがどうやってアズカバンから逃げたのか、誰にもわからない。これまで脱だつ獄ごくした者は誰もいない。しかもブラックは一番厳きびしい監視かんしを受けていたんだ」
ロンは落ち着かない様子で話した。
「だけど、また捕つかまるでしょう?」ハーマイオニーが力を込こめて言った。
「だって、マグルまで総そう動どう員いんしてブラックを追つい跡せきしているじゃない……」
「何の音だろう?」突とつ然ぜんロンが言った。
小さく口くち笛ぶえを吹くような音が、微かすかにどこからか聞こえてくる。三人はコンパートメントを見回した。
“我没有自找麻烦啊,”哈利恼怒地说,“通常总是麻烦找上我的。”
“没有人知道他是怎么逃出阿兹卡班的,”罗恩别扭地说,“以前从来没有人做到这一点。而且他还是个头等要犯呢。”
“但是他们会抓住他的,是不是?”赫敏真诚地说,“我的意思是说。他们已经叫所有的麻瓜去找他了..”
“哪里来的噪音?”罗恩突然说。
什么地方传来微弱纤细的哨声。他们在车厢里四处寻找。