ハリー、ロン、ハーマイオニーは驚いて顔を見合わせた。そして三人ともみんなと一いっ緒しょに拍手した。とくにグリフィンドールからの拍手は割れんばかりだった。ハリーが身を乗り出してハグリッドを見ると、夕日のように真まっ赤かな顔をして自分の巨大な手を見つめていた。うれしそうにほころんだ顔も真っ黒なもじゃもじゃ髭ひげに埋うずもれていた。
「そうだったのか!」ロンがテーブルを叩たたきながら叫さけんだ。
「噛かみつく本を教科書指定していするなんて、ハグリッド以外にいないよな?」
ハリー、ロン、ハーマイオニーは一番最後まで拍手し続けた。ダンブルドア校長がまた話しはじめた時、ハグリッドがテーブルクロスで目を拭ぬぐったのを、三人はしっかりと見た。
「さて、これで大切な話はみな終わった」ダンブルドアが宣せん言げんした。
「さあ、宴うたげじゃ!」
目の前の金の皿、金の杯さかずきに突とつ然ぜん食べ物が、飲み物が現れた。ハリーは急に腹ぺこになり、手当たりしだいガツガツ食べた。
すばらしいご馳走ちそうだった。大おお広ひろ間まには話し声、笑い声、ナイフやフォークの触ふれ合う音がにぎやかに響ひびき渡わたった。それでも、ハリー、ロン、ハーマイオニーは宴えん会かいが終わってハグリッドと話をするのが待ち遠しかった。先生になるということがハグリッドにとってどんなにうれしいことなのか、三人にはよくわかっていた。ハグリッドは一人前の魔法使いではなかった。三年生の時、無実の罪つみでホグワーツから退たい校こう処しょ分ぶんを受けたのだ。ハリー、ロン、ハーマイオニーの三人が、一年前ハグリッドの名誉めいよを回かい復ふくした。
いよいよ最後に、かぼちゃタルトが金の皿から溶とけるようになくなり、ダンブルドアが皆寝ねる時間だと宣言し、やっと話すチャンスがやってきた。