昼食のあと、城の外に出られるのがハリーにはうれしかった。昨日きのうの雨は上がっていた。空は澄すみきった薄うすねずみ色だった。しっとりとして柔らかに弾はずむ草地を踏ふみしめ、三人は「魔法まほう生せい物ぶつ飼し育いく学がく」の最初の授業に向かっていた。
ロンとハーマイオニーは互いに口をきかない。ハリーも黙だまって二人の脇わきを歩き、禁きんじられた森の端はしにあるハグリッドの小屋をめざして、芝生しばふを下っていった。いやというほど見み慣なれた三人の背中が前を歩いているのを見つけた時、ハリーは初めてスリザリンとの合ごう同どう授じゅ業ぎょうになるのだと気がついた。マルフォイがクラッブとゴイルに生き生きと話しかけ、二人がゲラゲラ笑っていた。何を話しているのかは、聞かなくてもわかる、とハリーは思った。
ハグリッドが小屋の外で生徒を待っていた。厚手木綿モールスキンのオーバーを着き込こみ、足元にボアハウンド犬のファングを従え、早く始めたくてうずうずしている様子で立っていた。
「さあ、急げ。早く来いや!」生徒が近づくとハグリッドが声をかけた。
「今日はみんなにいいもんがあるぞ! すごい授業だぞ! みんな来たか? よーし。ついてこいや!」
ほんの一いっ瞬しゅん、ハリーはハグリッドがみんなを「森」に連れていくのでは、とぎくりとした。ハリーは、もう一生分くらいのいやな思いを、あの森で経けい験けんした。ハグリッドは森の縁ふちに沿ってどんどん歩き、五分後にみんなを放ほう牧ぼく場じょうのようなところに連れてきた。そこには何もいなかった。
「みんな、ここの柵さくの周まわりに集まれ!」ハグリッドが号ごう令れいをかけた。
「そーだ――ちゃんと見えるようにしろよ。さーて、イッチ番先にやるこたぁ、教科書を開くこった――」
「どうやって?」ドラコ・マルフォイの冷たい気取った声だ。
「あぁ?」ハグリッドだ。
「どうやって教科書を開けばいいんです?」
マルフォイが繰くり返した。マルフォイは「怪かい物ぶつ的てきな怪物の本」を取り出したが、紐ひもでぐるぐる巻きに縛しばってあった。他の生徒も本を取り出した。ハリーのようにベルトで縛っている生徒もあれば、きっちりした袋に押し込こんだり、大きなクリップで挟はさんでいる生徒もいた。
“来吧,快点快点!”他叫道,这时学生们已经走近了。“今天可有好东西款待你们!马上就要上精彩的一课!大家都到了吗?好,跟我来!”
“怎么打开?”德拉科马尔福用他那冷淡、拖长的声调说。
“嗯?”海格说。