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第1章 リドルの館 The Riddle House(4)
日期:2023-04-11 13:10  点击:305

「リドルの館」のいまの持主は大金持ちで、屋敷に住んでもいなかったし、別に使っているわけでもなかった。村人たちは「税ぜい金きん対たい策さく」で所有しているだけだと言ったが、それがどういう意味なのか、はっきりわかっている者はいなかった。大金持ちはフランクに給料を払って庭仕事を続けさせていたが、もう七十七歳の誕たん生じょう日びが来ようというフランクは、耳も遠くなり、不自由な足はますます強こわばっていた。それでも天気のよい日には、だらだらと花か壇だんの手入れをする姿が見られたが、いつのまにか雑草が、おかまいなしに伸びはじめているのだった。

フランクの戦う相手は雑草だけではなかった。村の悪ガキどもが屋敷の窓にしょっちゅう石を投げつけたし、フランクがせっかくきれいに刈かり込んだ芝しば生ふの上を自転車で乗り回した。一度か二度、肝きも試だめしに屋敷に入り込んだこともあった。ガキどもは、年老いたフランクがこの館と庭に執しゅう着ちゃくしているのを知っていて、杖つえを振り回ししわがれ声を張り上げて、庭の向こうから足を引きずってやってくるフランクを見ておもしろがっていた。フランクのほうは、子供たちが自分を苦しめるのは、その親や祖そ父ふ母ぼと同じように、自分を殺人者だと思っているからと考えていた。だから、ある八月の夜、ふと目を覚まして、古い屋敷の中に何か奇き妙みょうなものが見えたときも、フランクは、悪ガキどもが自分を懲こらしめるために、またいちだんと性た質ちの悪いことをやらかしているのだろう、くらいにしか思わなかった。

目が覚めたのは足が痛んだからだった。歳とともに痛みはますますひどくなっていた。膝ひざの痛みを和やわらげるため、湯たんぽの湯を入れ替えようと、フランクは起き上がって、一階の台所まで足を引きずりながら下りていった。流し台の前でヤカンに水を入れながら屋敷を見上げると、二階の窓にチラチラと灯あかりが見えた。何事が起こっているのか、フランクにはピンときた。ガキどもがまた屋敷内に入り込んでいる。あの灯りのチラつきようから見ると、火を焚たきはじめたのだ。

フランクのところに電話はなかった。どのみち、リドル一家の死亡事件で警察に引っ張られ、尋じん問もんされて以来、フランクはまったく警察を信用していなかった。フランクはヤカンをその場にうっちゃり、痛む足の許すかぎり急いで駆かけ上がり、服を着替えてすぐに台所に戻ってきた。そして、ドアの脇わきにかけてある錆さびた古い鍵かぎを取りはずし、壁かべに立て掛かけてあった杖つえをつかんで、夜の闇やみへと出ていった。


   最近拥有里德尔的那个富人,既不住在这里,也不把宅子派什么用场。村里的人说,他留着它是为了“税务上的原因”,但谁也不清楚到底是怎么回事。不过,这位富裕的宅主继续花钱雇弗兰克当园丁。弗兰克如今快要过他七十七岁的生日了,他耳朵聋得厉害,那条坏腿也比以前更加僵硬了,但天气好的时候,人们仍然能看见他在花圃里磨磨蹭蹭地干活,尽管杂草在向他身边悄悄蔓延,他想挡也挡不住。
    况且,弗兰克要对付的不仅是杂草。村子里的男孩总喜欢往里德尔府的窗户上扔石头。弗兰克费了很大心血才保持了草地的平整,他们却骑着自行车在上面随意碾踏。有一两次,他们为了互相打赌,还闯进了老宅。他们知道老弗兰克一心一意地护理宅子和庭园,几乎到了一种痴迷的程度,所以他们愿意看到他一瘸一拐地穿过园子,挥舞着拐杖,用沙哑的嗓子朝他们嚷嚷,每当这时,他们就觉得特别开心。弗兰克呢,他相信这些男孩之所以折磨他,是因为他们和他们的父母、祖父母一样,认为他是一个杀人犯。因此,在那个八月的夜晚,当弗兰克一觉醒来,看见老宅上面有异常的动静时,还以为是那些男孩又想出了新的花招来惩罚他了。
    弗兰克是被那条坏腿疼醒的,如今他上了年纪,腿疼得越发厉害了。他从床上起来,瘸着腿下楼走进厨房,想把热水袋灌满,暖一暖他僵硬的膝盖。他站在水池边,往水壶里灌水,一边抬着朝里德尔府望去,他看见楼上的窗户闪着微光。弗兰克立刻就明白了是怎么回事。那些男孩又闯进老宅了,那微光闪闪烁烁,明暗不定,看得出他们还生了火。
    弗兰克屋里没有装电话,自从当年为了里德尔一家猝死的事,警察把他带去审问之后,他就对警察有了一种深深的不信任感。他赶紧把水壶放下,拖着那条坏腿,尽快地返回楼上,穿好衣服,旋即又回到厨房。他从门边的钩子上取下那把锈迹斑斑的旧钥匙,拿起靠在墙边的拐杖,走进了夜色之中。

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06/29 15:35