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第1章 リドルの館 The Riddle House(5)
日期:2023-04-11 13:11  点击:269

「リドルの館やかた」の玄げん関かんは、こじ開けられた様子がない。どの窓にもそんな様子はない。フランクは足を引きずりながら屋敷の裏に回り、ほとんどすっぽり蔦つたの陰に隠れている勝かっ手て口ぐちのところまで行くと、古い鍵を引っ張り出して鍵かぎ穴あなに差し込み、音を立てずにドアを開けた。

中はだだっ広い台所だった。もう何年もそこに足を踏ふみ入れてはいなかったのに、しかも真っ暗だったにもかかわらず、フランクは広ひろ間まに向かうドアがどこにあるかを憶おぼえていた。むっとするほどの黴かび臭くささを嗅かぎながら、上階から足音や人声が聞こえないかと耳をそばだて、手探りでドアのほうに向かった。広間まで来ると、正面のドアの両側にある大きな格こう子し窓まどのお陰で少しは明るかった。石造りの床を厚く覆おおった埃ほこりが、足音も杖の音も消してくれるのをありがたく思いながら、フランクは階段を上りはじめた。

階段の踊おどり場で右に曲がると、すぐに侵しん入にゅう者しゃがどこにいるかがわかった。廊ろう下かのいちばん奥のドアが半開きになって隙すき間まから灯あかりがチラチラ漏もれ、黒い床に金色の長い筋を描いていた。フランクは杖をしっかり握り締め、じりじりと近づいていった。ドアから数十センチのところで、細長く切り取られたように部屋の中が見えた。

火は、初めてそこから見えたが、暖だん炉ろの中で燃えていた。意外だった。フランクは立ち止まり、じっと耳を澄すました。男の声が部屋の中から聞こえてきたからだ。おどおどと戦おののいている声だった。

「ご主人様、まだお腹なかがお空すきでしたら、いま少しは瓶びんに残っておりますが」

「あとにする」

別の声が言った。これも男の声だった――が、不自然に甲かん高だかい、しかも氷のような風が吹き抜けたかのように冷たい声だ。なぜかその声は、まばらになったフランクの後頭部の毛を逆さか立だたせた。

「ワームテール、俺おれ様さまをもっと火に近づけるのだ」


    里德尔府的前门没有被人强行闯入的迹象,窗户也完好无损。弗兰克一瘸一拐地绕到房子后面,停在一扇几乎完全被爬山虎遮住的门边,掏出那把旧钥匙,插进锁孔,无声地打开了门。
    弗兰克走进洞穴般幽暗的大厨房,他已经很多年没有进来过了。不过,尽管四下里漆黑一片,他狐朋狗友记得通往走廊的门在哪里。他摸索着走过去,一股腐烂的味儿扑鼻而来。他竖起耳朵,捕捉着头顶上的每一丝脚步声或说话声。他来到走廊,这里因为有前门两边的大直棂窗,多少秀进一点儿光线。他开始上楼,一边心想多亏石阶上积着厚厚的灰尘,使他的脚步声和拐杖声发闷,不易被人察觉。
    在楼梯平台上,弗兰克向右一转,立刻看到了闯入者在什么地方。就在走廊的顶端,一扇门开着一道缝,一道闪烁的微光从门缝里射了出来,在黑乎乎的地板上投出一道橙黄色的光影。弗兰克侧着身子,小心地一点点靠近,手里紧紧攥着拐杖。在离门口几步远的地方,他可以看见房间里窄窄一条缝中的情景。
    他现在看到了,那火是生在壁炉里的。这使他感到很意外。他停住脚步,竖起耳朵,只听见房间里传来一个男人的说话声,那声音显得胆怯、害怕。
   “瓶子里还有呢,主人,如果您还饿,就再喝一点儿吧。”
   “待一会儿吧。”又一个声音说。这也是一个男人——但嗓音却尖得奇怪,而且像寒风一样冰冷刺骨。不知怎的,这声音使弗兰克脖子后面稀少的头发都竖了起来。“把我挪到炉火边去,虫尾巴。”

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