「どうやら下での論ろん争そうは終わったみたいね」
ハーマイオニーが気まずい沈ちん黙もくをごまかすために言った。ジニーがロンからハリーへと何か聞きたそうな視し線せんを向けていたからだ。
「下りていって、お母様が夕食の支し度たくをするのを手伝いましょうか?」
「うん、オッケー」ロンが答えた。
四人はロンの部屋を出て、下りていった。キッチンにはウィーズリーおばさん一人しかいなかった。ひどくご機き嫌げん斜ななめらしい。
「庭で食べることにしましたよ」
四人が入っていくと、おばさんが言った。
「ここじゃ十一人はとても入りきらないわ。お嬢じょうちゃんたち、お皿を外に持っていってくれる? ビルとチャーリーがテーブルを準備してるわ。そこのお二人さん、ナイフとフォークをお願い」
おばさんがロンとハリーに呼びかけながら、杖つえを流しに入っているジャガイモの山に向けたが、どうやら杖つえの振り方が激はげしすぎたらしく、ジャガイモは弾だん丸がんのように皮から飛び出し、壁かべや天井にぶつかって落ちてきた。
「まあ、なんてこと!」
おばさんのピシッという言葉とともに、杖が塵ちり取とりに向けられた。食しょっ器き棚だなに掛かかっていた塵取りがピョンと飛び降り、床を滑すべってジャガイモを集めて回った。
「あの二人ときたら!」
おばさんはこんどは戸と棚だなから鍋なべやフライパンを引っ張り出しながら、鼻息も荒くしゃべり出した。フレッドとジョージのことだなとハリーにはわかった。
「あの子たちがどうなるやら、私にはわからないわ。まったく。志こころざしってものがまるでないんだから。できるだけたくさん厄やっ介かい事ごとを引き起こそうってこと以外には」
おばさんは大きな銅どう製せいのソース鍋をキッチンのテーブルにドンと置き、杖をその中で回しはじめた。掻かき回すにつれて、杖の先から、クリームソースが流れ出した。