テーブルの真ん中で、ウィーズリーおばさんがビルのイヤリングのことで言い合っていた。最近つけたばかりらしい。
「……そんなとんでもない大きい牙きばなんかつけて、まったく、ビル、銀行でみんな何と言ってるの?」
「ママ、銀行じゃ、僕がちゃんとお宝を持ち込みさえすれば、誰も僕の服ふく装そうなんか気にしやしないよ」ビルが辛しん抱ぼう強く話した。
「それに、あなた、髪かみもおかしいわよ」ウィーズリーおばさんは杖つえをやさしくもてあそびながら言った。「私に切らせてくれるといいんだけどねぇ……」
「あたし、好きよ」ビルの隣となりに座っていたジニーが言った。
「ママったら古いんだから。それに、ダンブルドア先生のほうが断然長いわ……」
ウィーズリーおばさんの隣で、フレッド、ジョージ、チャーリーが、ワールドカップの話で持ち切りだった。
「絶対アイルランドだ」チャーリーはポテトを口一いっ杯ぱい頬ほお張ばったまま、モゴモゴ言った。「準決勝でペルーをペチャンコにしたんだから」
「でも、ブルガリアにはビクトール・クラムがいるぞ」フレッドが言った。
「クラムはいい選手だが一人だ。アイルランドはそれが七人だ」チャーリーがキッパリ言った。「イングランドが勝ち進んでりゃなぁ。あれはまったく赤あかっ恥ぱじだった。まったく」
「どうしたの?」
ハリーが引き込まれて聞いた。プリベット通りでグズグズしている間、魔ま法ほう界かいから切り離されていたことがとても悔くやまれた。ハリーはクィディッチに夢中だった。グリフィンドール・チームでは一年生のときからずっとシーカーで、世界最高の競きょう技ぎ用箒ようぼうき、ファイアボルトを持っていた。
「トランシルバニアにやられた。三九〇対一〇だ」チャーリーががっくりと答えた。「何てざまだ。それからウェールズはウガンダにやられたし、スコットランドはルクセンブルクにボロ負けだ」