ウィーズリーおばさんに揺ゆり動かされて目が覚めたとき、ハリーはたったいまロンの部屋で横になったばかりのような気がした。
「ハリー、出かける時間ですよ」おばさんは小声でそう言うと、ロンを起こしにいった。
ハリーは手探りでメガネを探し、メガネをかけてから起き上がった。外はまだ暗い。ロンは母親に起こされると、わけのわからないことをブツブツ呟つぶやいた。ハリーの足あし下もとのくしゃくしゃになった毛布の中から、ぐしゃぐしゃ頭の大きな体が二つ現れた。
「もう時間か?」フレッドが朦もう朧ろうとしながら言った。
四人は黙だまって服を着た。眠くてしゃべるどころではない。それから欠伸あくびをしたり、伸びをしたりしながら、キッチンへと下りていった。
ウィーズリーおばさんは竈かまどにかけた大きな鍋なべを掻かき回していた。ウィーズリーおじさんはテーブルに座って、大きな羊よう皮ひ紙しの切符の束たばを検あらためていた。四人が入ってくると、おじさんは目を上げ、両腕を広げて、着ている洋服がみんなによく見えるようにした。ゴルフ用のセーターのようなものと、よれよれのジーンズという出いで立たちで、ジーンズが少しだぶだぶなのを太い革かわのベルトで吊つり上げている。
「どうかね?」おじさんが心配そうに聞いた。「隠おん密みつに行動しなければならないんだが――マグルらしく見えるかね、ハリー?」
「うん」ハリーは微ほほ笑えんだ。「とってもいいですよ」
「ビルとチャーリーと、パぁ―パぁ―パぁーシーは?」ジョージが大欠伸を噛かみ殺し損そこないながら言った。
「ああ、あの子たちは『姿現すがたあらわし』で行くんですよ」おばさんは大きな鍋を「よいしょ」とテーブルに運び、みんなの皿にオートミールを分けはじめた。「だから、あの子たちはもう少しお寝ね坊ぼうできるの」
第6章 门钥匙