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第30章 ペンシーブ The Pensieve(3)
日期:2023-05-12 14:34  点击:264

浅い石の水すい盆ぼんが置かれていた。縁ふちにぐるりと不思議な彫り物が施してある。ルーン文字と、ハリーの知らない記号だ。銀の光は、水盆の中から射している。中にはハリーが見たこともない何かが入っていた。液体なのか、気体なのか、ハリーにはわからなかった。明るい白っぽい銀色の物質で、絶え間なく動いている。水みな面もに風が渡るように、表面に漣さざなみが立ったかと思うと、雲のようにちぎれ、滑なめらかに渦うず巻まいた。まるで光が液体になったかのような――風が固体になったかのような――ハリーにはどちらとも判断がつかなかった。

ハリーは触ふれてみたかった。どんなものか、感じてみたかった。しかし、もう魔法界での経験も四年近くになれば、得体の知れない物質の充満じゅうまんした水盆に手を突っ込んでみるのがどんなに愚かしいことか、ハリーにもわかるようになっていた。そこでハリーは、ローブから杖つえを取り出し、校長室を恐る恐る見回し、また水盆の中身に目を戻し、突ついてみた。水盆の中の何か銀色のものの表面が急速に渦巻きはじめた。

ハリーは頭を戸棚に突っ込んで、水盆に顔を近づけた。銀色の物質は透とう明めいになっていた。ガラスのようだ。ハリーは、石の底が見えるかと思いながら、中を覗のぞき込んだ――ところが、不ふ可か思し議ぎな物質の表面を通して見えたのは底ではなく、大きな部屋だった。その部屋の天井の丸窓から中を見下ろしているような感じだった。

薄うす明あかりの部屋だ。ハリーは地下室ではないかと思ったくらいだ。窓がない。ホグワーツ城の壁かべの照明と同じように、腕うで木ぎに松たい明まつが灯ともっているだけだ。ハリーは、ガラス状の物質に、ほとんど鼻がくっつくほど顔を近づけた。部屋の壁にぐるりと、ベンチのようなものが階段状に並び、どの段にも魔法使いや魔女たちがびっしりと座っている。部屋のちょうど中央に椅子が一脚置いてある。その椅子を見ると、なぜかハリーは不吉な胸騒ぎを覚えた。椅子の肘ひじのところに鎖くさりが巻きつけてあり、椅子に座る者をいつも縛しばりつけておくかのようだった。

ここはどこだろう? ホグワーツじゃないことは確かだ。城の中でこんな部屋は見たことがない。それに、水盆の底の不可思議な部屋にいる大勢の魔法使いたちは、大人おとなばかりだ。ホグワーツにはこんなにたくさんの先生がいないことを、ハリーは知っている。みんな、何かを待っているようだ。かぶっている帽子の先しか見えなかったが、全員が同じ方向を向き、誰一人として話をしている者がいない。

水すい盆ぼんは円形だが中の部屋は四角で、隅すみのほうで何が起こっているかは、ハリーにはわからない。ハリーは首を捻ねじるようにして、もっと顔を近づけた。何とかして見たい……。

覗のぞき込んでいる得体の知れない物質に、ハリーの鼻の先が触ふれた。

ダンブルドアの部屋が、ぐらりと大きく揺ゆれた――ハリーはつんのめり、水盆の中の何かに頭から突っ込んだ――。


柜子里有一个浅浅的石盆,盆口有奇形怪状的雕刻:全是哈利不认识的字母和符号。银光就是由盆里的东西发出来的,哈利从没见过这样的东西。他搞不清它是液体还是气体。它像一块明亮的白银,但在不停地流动,像水面在微风中泛起涟漪,又像云朵那样飘逸地散开、柔和地旋转。它像是化为液体的光——又像是凝成固体的风——哈利无法作出判断。
他想碰碰它,看会是什么感觉。但在魔法世界将近四年的经验告诉他,把手伸进盛满未知物体的盆里是非常愚蠢的。于是他从袍子里抽出魔杖,紧张地看了看四周,然后对着盆里的物体戳了戳。银色物体的表面旋转得快了起来。
哈利俯下身,脑袋完全伸进了柜子里。银色物体变得透明了,看上去像玻璃一样。他使劲往里面看,以为会看见石盆的底——可那神秘物质的表面下却是一间很大的屋子,他好像在通过一个圆形的天窗朝屋子里看。
屋里光线昏暗,他想那可能是在地下,因为四周没有窗户,只有像霍格沃茨那样的插在墙壁支架上的火把。哈利把脸凑近一些,鼻子离玻璃状物质只有一英寸了。他看到一排排的巫师坐在四周的阶梯式长凳上,屋子正中央摆着一张空椅子。这椅子使哈利有一种不祥的感觉,因为它的扶手上缠着锁链,好像是绑人用的。
这是什么地方?肯定不是霍格沃茨,他在城堡中从没见过这样的房间。此外,盆底的神秘房间中的那些人都是成年人,哈利知道霍格沃茨绝没有那么多教师。他想这些人一定是在等待着什么,尽管他只能看见他们的帽顶,但所有人的脸似乎都朝着同一个方向,而且没有人说话。
盆是圆形的,而那间屋子是方形的,哈利看不到角落里的情况。他凑得更近一点儿,歪着脑袋,努力想看清楚……
他的鼻尖碰到了那种奇异物质的表面。
邓布利多的办公室突然倾倒过来——哈利的身体朝前一冲,头朝下栽进了盆里——

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